牧場ジェラート・ヨーグルト・スイーツは搾り立て牛乳で作られています。

平松牧場の紹介
牛乳・アイスができるまで
オリジナルののし・包装承ります!!

店長紹介

こんにちは!店長の平松です。

石川県で、小さな牧場をしています。
牧場で、毎日搾られる牛乳を使った、ジェラートやヨーグルト、デザートを作っています。
もちろん、牛乳も販売していますので、どうぞご利用ください。

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平松牧場の紹介

平松牧場とはMoo Moo まきばに隣接している牧場です。
乳牛のホルスタイン種とジャージー種を飼育する、酪農を主体とする牧場です。平成5年に自家牛乳殺菌処理プラント(牧場で搾った生乳を殺菌して飲用牛乳にするための施設)により、低温殺菌牛乳(65度30分間)を製造し、近隣の一般家庭などに宅配を始めました。
また、乳牛の排泄物を堆肥化し、果樹農園、野菜農家、家庭菜園などに利用していただいています。
ホルスタインとジャージーの乳牛のほか、ロバの『るんば』、ポニーの『リリー』、うこっけい、名古屋コーチン、うさぎ、ねこ、いぬなどとともに、小さな牧場で暮らしています。

牛(ホルスタイン種) 牛(ジャージー種) ポニー

牛(ホルスタイン種)

牛(ジャージー種)

ポニー

ろば いぬ

ロバ

うさぎ

いぬ

ねこ

ねこ

はじめに

私は石川県の南部、加賀市で酪農を主体として農業を営んでいます。
酪農家を取り巻く環境は厳しく、輸入される飼料は値上がり傾向で、乳価は需給関係や他の清涼飲料水との競合もあって低く抑えられ、近年はふん尿処理にも多くの経費がかかるようになってきています。それが後継者不足にも直結し、ここ数年約1,000戸の酪農家が、廃業・倒産・休業というかたちで毎年減り続けています。石川県では93戸、加賀市ではわずか2戸を残すのみというのが現状です。
私は酪農家に生まれ、5年間会社勤めをした後、22歳からこの平松牧場で働き始めました。動機は主に「跡継ぎ」としての責任感からですが、地元に酪農家が当牧場を含め2戸しかない中で、人間にとって身近であるはずの動物・家畜の姿を地域から消してしまってもよいものかどうか、という思いもありました。

 
平松牧場の経歴
昭和51年5月 カナダより帰国(父・母・長男)
昭和52年7月 当地に40頭牛舎建設 酪農専業開始
昭和53年 生乳の第1次生産調整
昭和56年 生乳の第2次生産調整
コスト削減を目指し転作田での草地拡大を図る
平成5年1月 牛乳生産プラント導入により自家製牛乳の製造
牛乳宅配開始
平成5年12月 毎日新聞農業賞記録賞受賞
平成9年8月 ”Moo Moo まきば”にてソフトクリームの製造販売
平成10年2月 中日農業賞優秀賞受賞
平成12年4月 新装”Moo Moo まきば”にてソフトクリームに加えて
アイスクリーム製造販売
平成14年1月 ホームページを立ち上げる
平成14年12月 有限会社平松牧場を設立

経営のありかたの転換

平松牧場はピーク時には60頭の乳牛を所有し、牛乳はメーカーに卸していました。
しかし前述のような困難に加え、生産調整という制限や周辺地域の宅地化進行による悪臭の問題もあって、頭数を増やして規模のメリットで収益をあげていくという、これまでのやり方では厳しくなりました。
酪農の流れは大まかにいって、
1)アメリカ型の多頭飼育による大量生産=主に生乳生産が目的
2)ヨーロッパ型の少頭飼育=主に乳加工製品の製造による高付加価値化
の二つがあります。
そのどちらを選ぶかは、土地柄などいろいろな条件によって違ってくると思いますが、この地で酪農を続けていくために、私の父の代に後者に舵をきることになりました。段階的・計画的に無理をしないように頭数を減らしていき、現在は20頭前後になるようにしています。ある意味では幸いなことに、平松牧場では大規模な設備投資をすることがなかったので、それに縛られることなく、このように転換できたのだともいえます。

乳製品等高付加価値製品の製造と、また地域密着型の経営

平松牧場の新たな経営のあり方は、乳製品等高付加価値製品の製造と、また地域密着型の経営、ということがいえるでしょう。
平松牧場のこの土地、水、空気によって育った牛の乳は、地域の方々に飲んでいただくことが最良と考え、低温殺菌処理施設を造り、酪農家自らが生産・製造・販売(宅配)・回収まですべて行い、自らの能力と自らが取れる責任の範囲内にとどめること、目の届かなくなる卸は一切しないことにしました。

牛乳の製造は週3回、3~5名でおこなわれ、小さな工房なのでラインも1本しかなく、一度の処理で平均550リットルぐらいの牛乳が製品になります。中小零細業者のコスト削減などの話もありますが、コストの削減は、牛乳ではない乳製品(加工乳・乳飲料)を競って作り、スーパーの店頭にならべることによりおこるもであり、本来の牛乳(生乳100%)のみを製造している零細業者にはあてはまらないことだと思います。

牛乳の販売路は、宅配と直売のみで宅配件数はおよそ 700件、4組で地区を区分して早朝、朝、昼、夕とさらに分けて宅配します。主にお客様の口コミで広がってきました。
これは当牧場の人員と牛の頭数(乳量)を考えると、限界に近い数字ではないかと思います。
牧場内の乳処理施設で作られた牛乳は、前日と当日に搾られたもので新鮮な状態で瓶詰めされます。ここで作られた牛乳は、宅配と直売、直売店奥の工房でソフトクリームとアイスクリームの製造に使われます。

また、ふん尿に関しましては、温風ブロアーによる完熟たい肥を製造の上、地域の果樹園、野菜農家及び一般の方々に販売し、供給が追いつかないほどです。

経営の転換における変化

経営の転換に踏み切った最も大きな動機は、やはり酪農を生業として成り立たせていくためにということです。
当牧場では頭数を3分の1にまで減らしたにもかかわらず、その結果収益を好転させることができました。
その理由は、
1)飼料やふん尿処理などの経費を抑える
2)メーカーに卸すのではなく宅配や直売にすることで、比較的よい値を付けることができる
3)安全性や品質をお客様に評価いただいたおかげで販売も順調に推移した
ということです。

もう一つの変化は、お客様に自分の牧場でつくったものを直接販売できるようになったことで、メーカーで他の生産者のものと混ぜられ、出回っている先もわからないというのではなく、目に見えるお客さんに平松牧場のブランドとして、お勧めできるようになったことです。直売や宅配で地域のお客さんの反応を確かめることができ、それが私たちの励みにもなっています。

平松牧場としてのあり方

牛乳の消費は年々減り続けています。最近の事故により、一番飲んでいただきたい子どもたちが食中毒事件に巻き込まれていることにより、今後ますます牛乳離れが拡大してしまうのではないか心配です。
私たちは農家ですから、経営を数字上黒字にしなくても、食べていく、生活していく、生業として成立させていくということはできるわけです。
その上で、大事なことは酪農の魅力を高めていくことです。牛乳は母なる大地によって作られた自然高機能食品です。酪農家自身ももっと自立して自信をもち、地域にもっと新鮮で安心・安全な牛乳を提供していくことが、その魅力につながるのだと思います。

後継者不足の問題は、これまで述べてきたように酪農を取り巻く環境の厳しさもありますが、酪農をより魅力あるものにしてそれを伝えていく努力がさらに求められている、という意味もあるのではないでしょうか。
私は、今後も現在の平松牧場のあり方を続けていこうと思っています。無理をしなければいけないような、生産や流通の規模の拡大は望みません。しかしその一方で、牧場を地域の人たちに開き、酪農を知ってもらう努力は重ねて行くつもりです。

牛や豚や鶏などの家畜は、以前は犬や猫同様に人々に大変馴染み深い動物だったと思います。
今では牧場には入ってはいけないところに思われているかもしれません。牧場がもっと気軽に立ち寄れる場所、動物と触れ合える場所としてありたいと思っています。また来場者が牧場の中でチーズやバターなどを製造できるような、体験施設づくりも考えています。

この地に生まれ、この地に酪農を続けていきたい、というのが私の原点です。
加工乳など広がる中で、牛乳やそれを原料とした乳製品の本物の味を守り、地域のお客様にその良さをわかってもらえるようにしていくことが、平松牧場のあり方を続けていく上でも必要ですし、酪農の将来にとっても大事なことではないかと思います。